私が韓瑞大学に留学をしようと思った理由
「韓国留学」と聞くとソウルや釜山などの大都市をイメージされるかもしれませんが、実は大学は地方にもたくさんあります!私が留学した忠清南道瑞山市(チュンチョンナムド ソサン市)韓瑞大学(ソサン大学)も地方にある大学です。
私は日本の大学の交換留学プログラムを利用して、韓瑞大学へ交換留学生として1年間留学しました。この大学を選んだ理由は「日本人が少ない所に行きたかったから」です。
大学の先生にはここ数年、地方へ留学生を送っていないので心配されましたが、「どんな大学か自分の目で確かめてくるので行かせて欲しい」と承諾を得ました。ただ、最初の目的はアイドルオタクをするため…(笑)
韓国留学へ行く人は増えているかもしれませんが、地方を視野に入れて留学を検討する人は少ないのではないでしょうか。実際に私の周りにもソウルや釜山以外に留学した人はおらず、当時とても不安だったので、今回は地方への留学を経験した私が地方大学の良さを少しでもお伝えできればと思います!
韓瑞大(ハンソン大)について
韓瑞大学は、1992年に設立された韓国の中では比較的新しい大学です。他の大学との大きな違いは「航空学科」や「航空整備学科」などがあること。パイロットやCAを目指す学生も多く在籍しています。
名称(日本語) | 韓瑞大学校 |
名称(ハングル) | 한서대학교ハンソテハッキョ |
所在地 | 忠清南道瑞山市海美面大谷里360 |
種別 | 私立 |
韓瑞大(ハンソ大)の特徴
韓瑞大学は忠清南道瑞山市(チュンチョンナムド ソサン市)にあります。忠清南道は大田(テジョン)の近くに位置します。韓瑞大学からソウルまではバスで約2時間、仁川までは約1時間半で行けるので、大半の学生はバスで通っていました。
私は韓瑞大学の瑞山キャンパスだったのですが、もう1つある泰安(テアン)キャンパスはさらに海に近付きます。
瑞山キャンパスに通学していても泰安キャンパスの講義も履修できるので、シャトルバスでキャンパスを移動して受講している学生もいました。
大学のクラスにいる日本人は20人ほど。韓国人も含め、様々な国、地域の友人と出会えました。語学堂はベトナム、中国、モンゴルの学生が多かったです。
そして、韓瑞大学は学科の豊富さも魅力のひとつ!特徴的な学科をいくつか挙げると以下のような感じです。
- 航空観光学科(CAを目指す学科)
- 航空運航学科(パイロットを目指す学科)
- 警護秘書学科(SPを目指す学科)
- ホテルカジノ観光学科
日本ではあまり聞かない学科名ですよね。キャンパス内で飛行機が飛び、管制塔があり、海ではボートまで走っているので、初めてこの光景を目にした時はここがキャンパス内だと理解できませんでした。
なお、4年制大学で航空関係を勉強したい方は語学堂から編入するルートがおすすめです。航空観光学科は毎年倍率が高く、韓国人でもハードルが高いので編入のほうが良いと思われます。実際に私の語学堂の友人も航空関係の学科に編入しました!
韓瑞大(ハンソ大)の授業スタイル
現在も韓瑞大に通う友人に聞いたところ、2021年1学期はすべてオンライン授業で大学には一度も行かなかったとのことでした。
- 語学堂のクラス数は9つほど、レベルとしては初級〜中上級
語学堂を修了後、大学に入学する学生が大半でした。 - 授業はLitting、Reading、Speaking、TOPIK対策が中心
- 必修科目、教養科目ともに課題はあり
- 出席率も成績に影響する
- トウミ制度はなし
- 留学生を気にかけてくださる先生たち
- 語学堂主催のイベントがある(スキーやサバゲー、キムチ作りなど)
大学の先生方は留学生であることを考慮してくださり、履修登録が間に合わなくても履修許可が降りた科目もありました。
とある講義では、課題を手伝ってもらえるようにと韓国人学生とペアを作ってくださったことも!どの先生も留学生を気にかけてくださる方ばかりでした(そのお陰で先生に修正なしと言われ、成績もSでした)。
また、韓瑞大学には「トウミ制度」がないのですが(私が留学していた2018年時点)、私は日本専攻だったので日本語ができる学生と直ぐに知り合えました。多学科にも日本語に興味がある学生は多かったので、教養科目で開講される日本語講義を受けることで知り合いができ、仲良くなった学生と一緒に講義を受けていました。
語学堂も先に話しかけてくれる学生が多かったので、トウミ制度がないから友人ができない…というような心配はないと思います!
韓瑞大(ハンソ大)の良いところ/悪いところ
良いところ
- 日本人が少ないので、韓国語を使わざるを得ない
これはとてもプラスでした。日本人で固まって講義を受ける機会が少なかったので、外では韓国語ばかり!寮では日本人と同じ部屋だったので日本語と韓国語、外では韓国語を話していました。 - 生活費が抑えられる
ソウルに比べて寮費が安く(1学期7万円前後)、お金を使う場所もあまりないので留学費用はかなり抑えられました。(お陰でアイドルに回すお金が増えて楽しくオタクしていました) - 寮から大学までが近い
講義開始10分前に起きても間に合います(笑)1番近い教室であれば1分で着くと思います。寮も4人1部屋で、各部屋にトイレとシャワーが付いていたので快適でした。掃除の日があり綺麗な状態が続いたのも良かったです。
悪いところ
- 日本人を含め人が少ないので、コミュニティが大都市に比べ小さい
大学の周りには他の大学がないので、他大学との交流などはありませんでした。「知り合いを増やしたい!」という時は、ソウルで開催される日韓交流会等に参加することをおすすめします。 - 何もない
大学の周りにあるのは飲食店と小さなマート、コンビニでした。ダイソーや大型マートへはバスやタクシーで行く距離です。 - ソウルの大学に憧れる
やはりソウルと比べると学祭の規模や、便利さは劣ると思います。私も学祭の時期になると、ソウルの大学の規模がとても大きくて羨ましいと思ってました(笑)
都会と比べると地方大学の周りには何もない分、山に登ったり散歩したり……今考えるとヒーリング留学ができたと思います。ただ、「この何もない環境がイライラする」と思ってしまう方に韓瑞大はおすすめできません。
私は日本では都心の大学に通っていたので、正反対の環境で生活できたことは大きな経験でした。
韓国留学に向けての準備
私が韓瑞大(ハンソ大)の留学に向けて準備したことを紹介します。
留学までにどうやって語学力を高めたか
留学前までに韓国語を勉強しておいたほうが良いと言われていましたが、大学では英語と中国語の勉強で手一杯でした。なので、留学するまでは韓国語をきちんと勉強したことはなく、「パッチム?」「連音化??」みたいな状態でした。
書けないし読めないけれども、中学生の頃からアイドルオタクで毎日韓国語の曲を聴いたり、バラエティを見たりしていたお陰で聞き取りは少しできるレベルでした。
でも大丈夫です。実際その状態で留学しましたが、現地で生活できました!
韓国留学までに申請したこと
私は大学の交換留学プログラムだったので、やり取りや準備に関しては大学にお任せしていました。
ただ、盲点だったのがパスポートの有効期限です。この問題が準備する時に1番大変なことでした。
留学が翌年の6月までだったので、パスポートの期限は8月まであれば大丈夫だろうと思っていたのですが、いざビザの申請をしに行くと「残存期間が2ヶ月は難しい」と言われてしまい…。有効期限が1年以上あるにもかかわらず更新することになったんです。
しかし!またも問題が発生。更新をしに行くと、「残存期間が1年以上もあるのに更新は受け付けられません」と言われてしまいました。
「このままでは留学へ行けないのでは?」と不安にもなりましたが、経緯を説明して韓国側の大学からパスポートの更新を義務とするメールを送っていただき、それを提出して何とか更新していただきました…!
韓国に着いてからは在留カードや銀行口座開設などの手続きもありましたが、韓瑞大学の日本担当の方が手伝ってくださったのでスムーズに完了しました。(証明写真を数枚持って行っておくと撮る手間が省けて楽です)
これだけは、韓国に持っていった方が良い!
- 日本食
- 電子レンジで調理できるレトルト食品
- 洗濯物を干すハンガーや洗濯バサミ、洗濯ネット
寮は洗濯機が共用なので、洗濯ネットに入れて洗濯すれば紛失する心配もありません。
大体は韓国で買えば揃いますが、私が1番必要だったものは「日本食」です。
食事は買えば良いと思っていたのですが、初日に食べた韓国のレトルトカレーで突然湿疹が出てしまったんです。他のレトルト食品も体に合わず、日本から物資が来るまでは食堂やご飯屋さんに行ったり、カップラーメンを食べたりして過ごしていました。
そして、持ち物ではありませんが、日本について色々聞かれることが多かったので、日本の文化や歴史についてもある程度理解して自分の意見を持っておくと良いと思います。
準備は早めに始めてください!私はパッキングが終わらず、泣きながら前日まで準備していました。
韓瑞大留学生の1日
次に、韓瑞大(ハンソ大)の留学生の1日を紹介します。
平日の過ごし方
私は交換留学生だったので、大学の講義と語学堂の授業の両方を受講していました。
時間 | |
---|---|
9:00-13:00 | 大学の講義 |
14:00-18:00 | 語学堂の授業 |
曜日によっては丸一日大学の講義の日もありました。
語学堂はクラスによって午前、午後と分かれているので、レベルを変更するとまた時間が変わります。
私は午前中に受講したい講義が多かったので午後クラスに移動しました。
休日の過ごし方
休日は日によって異なりますが、ソウルへ行って買い物をしたり、オタクなので事前収録に行ったりしていました。
朝大学に戻って来て、寝ずに試験を受けたりも…。今思うと凄いなと思います(笑)
何も無い日は外に出て運動したり、寮でゆっくりと過ごしたり、試験前は勉強したりしていました。
これから韓瑞大学に留学したい人へ
留学で1番苦労するのは課題や試験だと思います。大学は韓国人と同様の試験を受けるので、科目によっては韓国人学生より低い成績になることも…。
ただ、これは「韓国語で考える脳」をつくると楽になりますよ!日本語に翻訳する時間を短縮できるので、その分他のことに時間を費やせるんですね。
こればっかりは韓国語に慣れるしか方法がないので、ひとり言や何か考える時はとにかく韓国語だけで考えるようにしてました。
私はソウルに行ったら確実に破産すると思ったので、地方にある韓瑞大学を選びましたが、実際どこへ留学しても自分の努力次第で環境は良くできると思います。
大都市以外でも留学生の受け入れに力を入れている大学は多いので、留学を検討する際は地方の大学も視野に入れて、ぜひ自分に合った大学を見つけてくださいね!
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当たり前ですが、大都市にある大学は学生数が多いので日本人も多いと聞いていました。また、私は楽なほうに流されるタイプだったので、気を引き締められるようにと地方の大学を選びました。